これまでXMR(モネロ)をCPUマイニングしてきましたが、自宅のWindowsPCの空いているCPUリソースを活用してやろうと思い、今のところCPUでのみマイニングできるBitZenyを始めてみました。 特に個人での採掘を行うソロマイニングに挑戦です。 使う時の邪魔にならないようにマイニング時のCPU利用制限も設定しました。
BitZenyとは
今流行りのBitCoinと同じく仮想通貨の一種です。BitCoinとの違いはアルゴリズムにあります。BitZenyではYescryptというアルゴリズムを使用しています。BitCoinで使用されるSHA-256というアルゴリズムはGPUやASICなどの専用装置が開発されていて、CPUマイニングではとても太刀打ちできません。 Yescryptは今のところCPUでのみマイニングが可能なため、空いているリソースを使ってちょっとマイニングしてみようという時に便利です。 BitZenyのレートは↓を見てください。
ソロマイニングとプールマイニング
BitZenyに限らず、仮想通貨の採掘にはソロマイニングとプールマイニングがあります。自分一人で採掘して獲得分を全て受け取るか、複数人で採掘して貢献度に応じて獲得分の分配を受けるかの違いがあります。採掘できなければどちらも報酬を得られません。一般にはプールマイニングのほうが効率が良いといわれています。 そんなわけでXMRの採掘ではプールマイニングを選択していました。ですが、今回はソロマイニングに挑戦しようと思います。 なぜ、わざわざ効率の悪いソロマイニングに挑戦するかというと、BitZenyでプールマイニングに使うマイナーソフトがアンチウイルスに引っかかってしまうからです。このソフト自体がウイルスというわけではなく、ウイルスの中に感染したPCで勝手にプールマイニングを始めてしまうものがあり、アンチウイルスでは意図的にマイナーソフトをウイルスとして検出するようになっているようです。 Linuxだとアンチウイルスを入れずに別の対策をすることが多いですが、WindowsPC(特に最近のWindows10など)では最初からWindows謹製のアンチウイルスが入っているので、どうしても引っかかってしまいます。ウイルス検出対象外として登録すれば使用可能なんですが、それも気持ち悪いので多少の効率は諦めて、ソロマイニングに挑戦することにしました。 ソロマイニングならアンチウイルスには引っかかりません。
BitZenyウォレットのインストール
BitZenyのソロマイニングは、BitZenyのウォレットソフトに機能が実装されています。なので、ウォレットを準備すれば、すぐにソロマイニングを始められます。 使い始めるまでに少しコツが必要だったんですが、インストールしてしまった後なので所々画像無しですがご容赦ください。Windows10 64bitでの説明です。 まずは公式サイトへアクセスし、一番下までスクロールしてください。 するとこのような画面になるので、左側の「Download Wallet」から「Windows 64bit」のSSE4.1有効版である「win64-sse」をダウンロードします。
ダウンロードしたファイルを実行し、ウォレットをインストールします。 すでにインストールしてしまっているため画像がありませんが、画面の指示に従うだけでインストールができます。
接続先ノードの登録
インストールが完了したらBitZenyを起動してください。起動して画面がでたらいったん「×」ボタンで終了します。 起動直後のBitZenyウォレットでは、BitZenyネットワークに接続するためのノード情報が古く、いつまで経っても使用可能にはなりません。いったん起動してBitZeny用の作業ディレクトリを作成させ、手動でノード情報を追記する必要があるのです。 「Windowsキー+r」を押してファイル名を指定して実行ダイアログを表示します。表示したら
1 |
%USERPROFILE%\AppData\Roaming\BitZeny |
と入力してOKボタンを押してください。
BitZeny用の作業ディレクトリが表示されます。作業ディレクトリ上に「bitzeny.conf」というテキストファイルを作成します。 ノード情報はDNSSeedページの「bitzeny」の項目を開きます。
左側に書かれている内容をそのままbitzeny.confにコピペして保存します。参考までに執筆時点のDNSSeed情報は下の内容でした。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 |
addnode=111.216.53.209 addnode=118.105.149.192 addnode=125.2.190.157 addnode=126.7.242.79 addnode=133.130.78.233 addnode=150.95.148.71 addnode=160.13.210.24 addnode=27.96.51.11 addnode=59.5.172.196 |
これで接続先ノード情報の登録は完了です。 再度BitZenyウォレットを起動します。起動して5~10分ほど待っていると画面左下部の表示が「ネットワークに同期中…」に変わります。画面右下部のアイコンも携帯の電波のマークのようなものと更新ボタンのようなマークに変わります。こうなればウォレットの同期が始まっています。 ウォレットの同期には半日ほどかかるので気長にお待ちください。
マイニングのCPU利用制限
マイニングを始めるとCPUの使用率が100%で張り付きます。こうなるとマイニング以外の用途でそのPCを使用できません。2コア以上のCPUを使っている場合に限りますが、マイニングに使用するコア数の上限を設定して空きリソースのみを使用する設定をします。 都度設定する方法と、ショートカット設定を使って毎回同じ割り当てにする方法がありますので、順に説明します。
CPU制限の都度設定
BitZenyが起動した状態でタスクバーの空いている部分を右クリックし、タスクマネージャを起動します。タスクマネージャの詳細タブから「bitzeny-qt.exe」を探します。見つけたら右クリックメニューから「関係の設定」を選択します。
プロセッサの関係ダイアログが表示されるので、CPU0のチェックを外してOKボタンをクリックします。 私の場合は2コア2スレッドのCPU(Core-i5)を使用しているので、CPU0~3まで認識されています。CPU0を外して残りのコアでマイニングさせることにしました。 CPU負荷のかかる作業をするときは、CPU1,2とチェックを外す量を増やします。しばらく使わないときはすべてのCPUにチェックを入れておいても良いですが、使おうとしたときにストレスなので1つは常時開けておいたほうが精神衛生上良いと思います。
ショートカットでの固定制限設定
デスクトップの空いているところで右クリックし、表示されたメニューの 「新規作成」→「ショートカット」と選択します。
ショートカットの作成ダイアログが表示されるので、「項目の場所を入力してください」と記載された場所に
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cmd /c start "" /affinity 14 "C:\Program Files\BitZeny\bitzeny-qt.exe" |
と入力し「次へ」ボタンをクリックします。 ショートカットの名前を入力する画面となるので、任意の名前を入力してください。私は「bitzeny-qt.exe」としました。入力したら「完了」ボタンをクリックします。
あとはこのショートカットから起動するだけでCPUが制限された状態で起動されます。起動後、一時的に制限設定を変更したいときは、先ほど説明した「CPU制限の都度設定」の手順で変更できます。 「/affinity 7」の値を変更することで固定割り当てを変更できます。2進数で下位ビットから順にCPU0,1,2と割り当てられているようなので、1コアを残して選択する場合、全部で8コアあるなら「/affinity 254」とすれば良く、全部で2コアの場合は「/affinity 2」とすれば良いです。
ソロマイニングの開始
さて、CPUの制限などをしてゆっくり待っていれば、ウォレットの同期が完了すると思います。完了したらマイニングを開始します。 まずは「ヘルプ」から「デバッグウインドウ」を開きます。
デバッグウインドウが開くので下部のテキストエリアに
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setgenerate true |
と入力しEnterキーを入力します。
タスクマネージャで見てCPU負荷が上がっていけば成功です。あとは放ったらかしておけば良いです。
マイニング成果
CPUマイニングした結果はというと、2週間ほど平日は24時間起動しっ放し&3コア使用で1度掘りあてました。
62.5ZNYを獲得し、1ZNYおよそ24円なので1500円ぐらいですね。電気代ぐらいにしかなりませんが、空きリソースでこれだけ貰えるなら続けても良いかな、というレベルです。 とにかく起動が遅い!ので、PCは起動しっ放しという人にしかお勧めできません。
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